StaSh の SSH を動かす方法 Pythonista 3 (ver. 3.4)

Pythonista 3.4 の StaSh で ssh を動かせたので、やったことをまとめます。

おことわり

Pythonista 3 のシェル環境 StaSh で ssh を使用するメリットについては触れません。ssh 接続をしている間は iPhone 本体が通常より熱を持つため、特にその必要が無い限り Termius 等の無料の SSH クライアント専用アプリを使用するのが良いと思います。本記事はむしろ、以前のバージョンの Pythonista 3 と StaSh で動いていたコマンドを、ver. 3.4 で動かす時の参考にしてもらえればと思います。また、再検証はしておらず、残しておいたメモを元に構成しているため、漏れや間違いがある可能性も否めません。

Pythonista 3.4 では、Python 2.7 のコードをそのまま実行することができなくなりました。StaSh に含まれるコマンドは全てが Python 3 に対応しているわけでは無く、ssh コマンド (ssh.py) もその一つです。以前の Pythonista (ver. 3.3 以前) では StaSh 自体を Python 2 環境で実行すれば ssh が実行可能でしたが、今後は Python 2 用コードは Python 3 に変換してあげる必要があります。Pythonista ではツールが用意されていて、スパナアイコンから Python 2 to 3 をタップすると自動変換してくれます。ただ、ssh コマンドは手直しが必要でした。

Python 2 のコードを開いた状態で Python 2 to 3 をタップすると変換してくれる

バージョン情報等

$ version
StaSh v0.8.0
Python 3.10.4 (CPython)
UI stash.system.shui.pythonista_ui
root: ~/Documents/site-packages/stash
core.py: 2023-05-05 18:00:40
SELFUPDATE_TARGET: master
Pythonista 3.4 (340012)
iOS 16.4.1 (64-bit iPhone10,2)
Platform iOS-16.4.1-iPhone10,2-64bit
BIN_PATH:
  ~/Documents/bin
  ~/Documents/stash_extensions/bin
  ~/Documents/site-packages/stash/bin

StaSh は、記事作成時に最新の dev バージョンです (StaSh インストール方法は別記事参照)

やったことひとまとめ

つど必要に応じて (変更箇所を反映させる等) Pythonista の再起動を実施しています。秘密鍵を使用した SSH の設定と、接続時の行数の指定例は過去記事をご参照下さい

  1. ~/Documents/site-packages/stash/bin/ssh.py を ~/Documents/stash_extensions/bin/ssh3.py としてコピー
  2. ssh3.py に対して「Python 2 to 3」を実行 (変更内容はそのまま)
  3. ssh3.py の関数 vk_tapped の内部 vk.name を全て int として処理するように書き換え (変更内容は下記)
  4. ~/Documents/site-packages/stash/system/shscreens.py に対して「Python 2 to 3」を実行 (変更内容はそのまま)
  5. shscreens.py の 541 行目と 576 行目それぞれにある /// に変更。変更後はこうなります: idx_line, idx_column = idx // (ncolumns + 1), idx % (ncolumns + 1)
  6. StaSh で ssh3 を実行

vk_tapped の変更後はこちら。Python 3 のコードに変換後の行数で、242~262 の部分になります。内容としては、vk.name を全て vk にし、'k_tab' 等となっていた部分を対応した数値に置き換えています。この変更により、StaSh のバーチャルキーボードで Tab や Up、CC 等をタップしたときに、SSH 接続先にも正しいキーコード (それぞれタブ、カーソル上、Control + C) が送られるようになります。

    def vk_tapped(self, vk):
        if vk == 7:
            self.send('\t')
        elif vk == 0:
            self.kc_pressed('C', CTRL_KEY_FLAG)
        elif vk == 1:
            self.kc_pressed('D', CTRL_KEY_FLAG)
        elif vk == 6:
            self.kc_pressed('U', CTRL_KEY_FLAG)
        elif vk == 9:
            self.kc_pressed('Z', CTRL_KEY_FLAG)
        elif vk == 2:
            self.kc_pressed('UIKeyInputUpArrow', 0)
        elif vk == 3:
            self.kc_pressed('UIKeyInputDownArrow', 0)

        elif vk == 10:
            if _stash.terminal.is_editing:
                _stash.terminal.end_editing()
            else:
                _stash.terminal.begin_editing()

出ていたエラーと解決のためのヒント

実際に ssh が動くようになるまでに行った手順としては、上のステップ 3 が最後になります。自分が最初にぶちあたったのは、ステップ 4の shscreens.py を Python 3 に変換した後で、エラーはこちらです:

system/shscreens.py", line 578, in load_pyte_screen
    c = pyte_screen.buffer[idx_line][idx_column]
TypeError: list indices must be integers or slices, not float

小数 (float) になっているのが問題と言うことなので、元の idx_line と idx_column を int() で整数にしてから呼び出されるようにしても解決せず、以下ページがヒント (とういか答え) となりました。

My guess would be that stash uses / division for line/column indices. On Python 3 / always produces a float. The fix is simple: replace it with flooring division //.

https://github.com/selectel/pyte/issues/123

ステップ 3 の変更を加える事になった原因のエラーはこちらです:

  File "stash_extensions/bin/ssh3.py", line 230, in vk_tapped
    if vk.name == 'k_tab':
AttributeError: 'int' object has no attribute 'name'

これは StaSh 自体のコードに関わる内容だと思うんですが、よくわかりません。ここをいじらなくても、SSH セッション自体は張れます。この関数の目的は、押された vk (=virtual key) に対応したキーコードを SSH 接続先に送るということです。なので、関数直下に print(vk) を差し込み、SSH 接続した状態で Tab やら CC やらを押して Console に表示される数字に name の値を置き換えていきました。美しい解決方法を探ったのですが諦めました。

さて、そもそも今回 ssh コマンドを動かしてやろうという動機付けになったのは、StaSh の説明の中にあった一文、特に色を付けた部分でした。

StaSh works with both Pythonista 2 and 3, though not all commands support python3. (訳: StaSh は Pythonista 2 でも 3 でも動きますが、全てのコマンドが python3 対応にはなっていません)

https://github.com/ywangd/stash

Image by Stable Diffusion

ここからは本文に関係ありません。今回のアイキャッチ画像は、Mac 用 Stable Diffusion クライアントの Mochi Diffusion で出力した画像に、後から文字を描き足したモノです。 Stable Diffusion を使った場合は、情報を記載するようにします。

Date:
2023年5月6日 22:31:24

Model:
realisticVision-v20_split-einsum

Size:
512 x 512

Include in Image:
cartoon, a young man waring glasses, super happy

Exclude from Image:


Seed:
3826992198

Steps:
20

Guidance Scale:
11.0

Scheduler:
DPM-Solver++

ML Compute Unit:
CPU & Neural Engine

3年以上の時を経て、Pythonista 3 がバージョン 3.4 にアップデート (Python 3.10 サポート)

もう終わったのかと思っていたけど、、、うれしかった!

iPad で実行。Stash の version コマンドの出力。Python 3.10.4 になってます

Python 3 は 3.10.4 にアップデート。Python 2 は完全廃止

iOS で Python コードを書いて実行できるアプリ、Pythonista 3。3年以上の時を経て Python 3.10 対応となってアップデートされました。

Pythonista 3 ←App Storeへのリンク

詳しい変更内容は、以下のリリースノートを見てください。Google 日本語翻訳のリンクも貼っておきます。

https://omz-software.com/pythonista/docs-3.4/py3/ios/new.html

プラス要素だけでは無く、本バージョンでは Python 2.7 が無くなりました。なので、過去記事で書いた 2.x 環境用で動くスクリプトは、そのままでは実行できなくなりました。StaSh では ssh コマンドも動きません。

StaSh の話が続きますが、StaSh は有志の方々によって開発されている OSS のため、対応が追いついていません。やっとなんとかインストール・実行できるようになりましたが、エイリアスや環境変数を書き込める .stashrc ファイルや、複数のコマンドをセミコロンでつなげて一度に実行しようとしても、最初のコマンドしか実行されない状況です。

StaSh のインストール

StaSh をインストールして正しく動作させるには、一度 Pythonista 3 を削除することが推奨されています (StaSh 自体やインストール方法などは日々アップデートされているようなので、定期的に Github をチェックすることをお勧めします)。現在のところ、自分で試した感じでは dev バージョンをインストールするのが良さそうです。Console に以下をコピペして実行してください。

url = 'https://raw.githubusercontent.com/ywangd/stash/dev/getstash.py'; import requests as r; exec(r.get(url).text.replace('master', 'dev'))

その後、一度 Pythonista 3 アプリを終了後、This iPhone (Documents フォルダ) にある launch_stash.py を実行すると StaSh が立ち上がります。

Django のインストールと実行 (最新版は動かない)

Django は、試したところ version 4.0 ならインストールとテストページの表示までできました。バージョンを指定しないと 4.2.1 が入るのですが、そのバージョンでは openssl_md5 のシグナチャが見つからないというようなエラーで django-admin が動きません。

pip install django==4.0

ちなみに、StaSh に表示されるインストールログや、pip show Django を見ると 4.2.1 がインストールされているように表示されるのですが、Console で確認 ( import django してから print(django.__version__) ) すると 4.0 です。pip のバージョン表示はこれまで通り信用できないようです。

ともあれ無事インストールできたら、Pythonista 3 を終了して再度立ち上げ、プロジェクトを作ります。

django-admin startproject mysite

右にスワイプして This iPhone > mysite と進み、manage.py をタップしてコードを開きます。▷を長押しして Arguments に以下をコピペし、Run しましょう。noreload の左にあるのは、マイナス二つです。

runserver --noreload

赤文字の英語で「CommandError: You must set settings. ALLOWED_HOSTS if DEBUG is False.」と出た場合は、ここではとりあえず気にせず Pythonista 3 を終了・起動、そしてもう一度 manage.py を Run しましょう。iOS がネットワークアクセスの可否を聞いてきたら許可してください。

うまくいけば Console に諸々の注意事項と共に URL http://127.0.0.1:8000/ が表示されるはずです。こちらをタップするなり Safari にコピペするなりすると、はい、おめでとうございます、ロケットページが表示されます。 (このサイトには過去バージョンの Pythonista 3 の記事がいくつかあるので、参考に見てみてください)。

とりあえずのまとめ

最近 a-Shell という Unix/Linux ライクなシェル環境で Python 3.11 がいじれる iOS アプリを見つけていたのですが、Python がバックグラウンドで動き続けない (Django や Flask アプリは、ブラウザとアプリを行き来しないとページが更新できない) ことにがっかり (← いじっているうちになぜか解決しました)。そんな矢先に届いたのが Pythonista 3 のアップデートでした。個人的に新しめの Python ならではの機能はあまり使っていないのですが、これを機に知識のアップデートもしていこうと思っています。StaSh がキャッチアップするのにまだかかりそうではありますが、新たな発見があれば書きためていこうと思います。

Image by Stable Diffusion

ステップ数が少ないからかなり怖い画像になってますが、Mochi Diffusion の max 値である 50にすると、変にまとまってしまって自分のうれしい気持ちを表現しきれないので、最初に出力した画像をアイキャッチにしました。ゾッとした方、ごめんなさい。

Date:
2023年5月6日 14:35:09

Model:
realisticVision-v20_split-einsum

Size:
512 x 512

Include in Image:
cartoon, people happy with a new release of software

Exclude from Image:


Seed:
3343127351

Steps:
20

Guidance Scale:
11.0

Scheduler:
DPM-Solver++

ML Compute Unit:
CPU & Neural Engine

Mac で brew upgrade したら tkinter が見つからなくなったが、解決した話

一年ほど前、Intel Mac で tkinter をいじっていたとき、いくらがんばっても日本語入力の時の選択肢を表示させる方法がうまくいかなかったので、しばらく tkinter 含めた Python の GUI からは離れていました。が、最近読み始めた本で tkinter を使っていたので気分が乗って、改めていろいろ試したところ、ハマった後に解決できたのでその方法のご紹介です。

結論から先に言うと、答えは brew info python に書いてあった

brew で Python を 3.9.1 から 3.9.6 にアップグレードしたときのログはロクに見ていなかったのですが、一晩寝かせた後に brew info python を叩いてみたところ、やるべきことが書いてあり無事解決できました。下の (略) に挟まれた部分です。tkinter はもう Python 3 に含まれ無くなったけど、まだインストールできますよ、という事を言っています。

% brew info python3
python@3.9: stable 3.9.6 (bottled)
Interpreted, interactive, object-oriented programming language
https://www.python.org/
(略)
tkinter is no longer included with this formula, but it is available separately:
  brew install python-tk@3.9
(略)

というわけで、もし brew upgrade で python3 を 3.9.x にアップグレードした後に tkinter が動かなくなった場合は、brew install python-tk@3.9 で tkinter も別途インストールしてあげてください。

ほんの最近まで、多分去年くらい?までの情報では「Python で GUI やるなら、まずは標準で入っている tkinter を試しましょう」と書かれていると思うんですが、少なくとも Mac の brew によるインストールでは標準では入っていない、ということですね。

動かなくなったときのエラーはこんな感じ

% python3 -m tkinter
Traceback (most recent call last):
File "/opt/homebrew/Cellar/python@3.9/3.9.6/Frameworks/Python.framework/Versions/3.9/lib/python3.9/runpy.py", line 188, in _run_module_as_main
mod_name, mod_spec, code = _get_module_details(mod_name, _Error)
File "/opt/homebrew/Cellar/python@3.9/3.9.6/Frameworks/Python.framework/Versions/3.9/lib/python3.9/runpy.py", line 147, in _get_module_details
return _get_module_details(pkg_main_name, error)
File "/opt/homebrew/Cellar/python@3.9/3.9.6/Frameworks/Python.framework/Versions/3.9/lib/python3.9/runpy.py", line 111, in _get_module_details
__import__(pkg_name)
File "/opt/homebrew/Cellar/python@3.9/3.9.6/Frameworks/Python.framework/Versions/3.9/lib/python3.9/tkinter/__init__.py", line 37, in
import _tkinter # If this fails your Python may not be configured for Tk
ModuleNotFoundError: No module named '_tkinter'

動かなくなった当日は、pipenv だとモジュールを読み込んでくれないような気がしていてずいぶんと余計な遠回り。一晩寝かせて Python 環境全体の再構築までを覚悟したものの、pipenv の外でも動かない。やったことをイチから見直して答えにたどり着けてヨカッタです。

Pythonista3 でコードを実行するバージョン (3 or 2) を指定

Python には 2.x 系と 3.x 系のバージョンがあり、Pythonista3 は 2.7.12 と 3.6.1 をベースに作られている

ということを知っておきましょう。Pythonista3 では、どちらのバージョンの環境でコードを実行するか選ぶことができます (下図。スクリプト名の右にある ▷ を長押し)。通常はデフォルトのバージョン 3で問題ないはずですが、2系で書かれたコードを実行する際には print 文やモジュールのインポートでエラーが出る可能性が高いです。そういう場合には 2.7 でコードを実行しましょう (Run with Python 2.7)。

6DF76B93-53C3-4D19-B1AD-37FD314A1BD5.jpeg

StaSh 上の一部コマンドは Python 2 用に書かれている

Pythonista 3 に Django や py-tree といった Python のパッケージをインストールするのに本サイトでも便利に使用させてもらっている StaSh ですが、一部コマンドは Python 2 用に書かれているもののようです。なので、StaSh インストール後に普通に起動すると、デフォルトの Python 3.6 で実行されるので、警告が表示されます。

StaSh v0.7.2 on python 3.6.1
Warning: you are running StaSh in python3. Some commands may not work correctly in python3.
Please help us improving StaSh by reporting bugs on github.

Python 3 ではうまく動作しないコマンドや、Python 2 のパッケージをインストールしたり実行するには、Python 2.7 で実行する必要があります (▷アイコン長押し、Run with Python 2.7)。そうすれば上記の警告は出ません。

StaSh v0.7.2 on python 2.7.12

というわけで、Python 2.x 用に書かれたパッケージを pip でインストールしたい場合は、そもそも実行する StaSh を Python 2 で実行しなければなりません。毎回 ▷アイコンを長押しする?ちょっとスマートじゃないですね。

コードを実行するPython のバージョン (3 or 2) を指定する

コードを作成する際、実行する Python のバージョンを指定することができます。方法は簡単で、Python 2 で実行したい場合は以下のようにコードの最初の行にバージョンを明記してあげるだけです (コードを実行する言語を指定するこの方法を Shebang と言います)。パスがない分、Linux や macOS よりも簡単です。

#! python2
# coding: utf-8
# この下にコードを書いていく

StaSh の場合、Python 3 で実行したいとき (Django のインストールなど) と Python 2 で実行したい時 (StaSh 内のコマンドが Python 3 だとエラーを吐くなど) のケースがあるため、先頭の Shebang を変更した stash2.py と stash3.py の 2つのコードを書き、それぞれショートカットとして登録しておくと便利です。

Pythonista 3 に Django 2.0 をインストールする

過去の投稿のように、バージョンを指定してあげれば Django 2.0 も Pythonista 3 にインストールできます。ただ、詳細な原因は確認できていませんが、バージョン 2.0 しか今のところインストールできません。既に Django 1.x をインストール済みの場合は、削除する必要があります。

インストール済みの Django を削除 (StaSh を使用)

pip remove django

2.0 をインストール (2.0.1 以降は、2018/3/23 現在、Python 2.7 はサポート外というエラーで失敗します。もちろん Pythonista は最新の 3.6 でもです)

pip install django==2.0

StaSh で

pip list

としてバージョンを見ると 2.0.3 などと出ますがウソです。Console で確認しましょう。

import django
print(django.VERSION)

さて、 Django 1.x でプロジェクトを作っていた場合、manage.py に runserver --noreload を arg として渡してもエラーが出ます。おきまりの再起動と manage.py の実行を何度かすると、ForeignKeyon_delete がないというエラーになる場合があります。その場合は、エラーが出ている model.py を下の太字部分 (カンマ以降、閉じ括弧まで) を追加しましょう。

author = models.ForeignKey('auth.User', on_delete=models.PROTECT)

メジャーアップデートで色々と変更があるようですが、取り合えず Pythonista on iPhone として嬉しいのは admin ページがレスポンシブデザインになったというところが大きいと思います。楽しみましょう!

iOS Pythonista 3 で XServer に SSH 接続

Pythonista 3 の StaSh を使って SSH で XServer へ接続する

Pythonista 3 の StaSh を使ってホスティングサーバである XServer へ SSH 接続する方法です。ポイントは、XServer のサーバーパネルで「公開鍵認証用鍵ペアの生成」を行わず、StaSh の ssh-keygen コマンドでパスフレーズ無しのキーを作成するということ。パスフレーズを付けて作られたキーは StaSh のssh で動かないようです。おそらく他の SSH 接続を許可するホスティングサーバでも同様の方法で接続可能かと思いますのでお試しください。
XServer の SSH 設定方法 (公式) はこちら

StaSh でキーを作成

$ ssh-keygen -t rsa -b 2048

以下のパスに秘密鍵と公開鍵が作られる。

~/Documents/site-packages/stash/.ssh
$ ls
id_rsa id_rsa.pub

後は、公開鍵を XServer のサーバパネルで登録すれば、以下コマンドでサーバに SSH 接続できる。

SSH コマンド

$ ssh username@username.xsrv.jp -p 10022

(“username” は自分のアカウント名に差し替える)

初めて ssh コマンドを実行すると、どうやら自動的に pyte というターミナルエミュレータが pip でインストールされます。そのまま ssh コマンドを実行してもエラー global name 'pyte' is not defined と表示される場合は、Pythonista 3 を終了してから再度立ち上げてください。

(蛇足) SSH しているときの行数を指定

ここまできたらこっちのもの、.stashrc ファイルに alias を登録したり (こちらを参照)、他の iOS 端末や SSH アプリ、パソコン等に .ssh フォルダの中の ids_rsa を持って行ってそれらの環境で SSH 接続ができるようにすれば作業がはかどります。 ids_rsa ファイルは秘密鍵ですので、絶対に他の人に見られないよう取り扱いには注意しましょう。

一点 Pythonista 3 の StaSh で SSH 接続している際の残念な点は、入力中は画面下の [Tab] [H] [Up] などの StaSh のもつ特殊キーの列と iOS のキーボードのソフトウェアキーボードが常に出てしまうところです (Bluetooth キーボードを使用していても 3行分ほど狭くなる)。面倒ですがログインする端末に応じて、stty コマンドで、画面の行数を指定しまいましょう。一画面に収まって作業がしやすくなります。以下を参考に、自分の環境でちょうどいい行数を指定してみてください。

$ stty rows 51 # iPad mini 2 で外付けキーボードならここまでイケる
$ stty rows 27 # iPhone 8 Plus でソフトウェアキーボードならここまでイケる

Pythonista3 に py-tree をインストールする

ディレクトリ構成を一覧表示してくれる py-tree を Pythonista3 (iOS) にインストールし、使いやすくする方法、など

py-tree をインストールすると

こういうのができるようになります:

[mysite]$ tree
.
|-- db.sqlite3
|-- manage.py
|-- mysite
|   |-- __init__.py
|   |-- settings.py
|   |-- urls.py
|   `-- wsgi.py
`-- polls
    |-- __init__.py
    |-- admin.py
    |-- apps.py
    |-- models.py
    |-- tests.py
    |-- urls.py
    |-- views.py
    `-- migrations
        |-- 0001_initial.py
        `-- __init__.py

Pythonista3 に限った話ではありませんが、Web アプリなど階層構造でプロジェクトを作っている時には、CLI (Pythonista3 の場合は StaSh) でディレクトリとファイルの一覧を見たくなるものです。そんな時に便利なのが py-tree コマンドです。上の例のように表示できるので、デバッグする時などにも重宝します。

インストール

インストールは簡単で、StaSh で以下のコマンド ([stash]$ プロンプトの後の部分) を実行します。

[stash]$ pip install py-tree

“tree” で実行できるようにする

実行するのはもちろん py-tree [enter] です。が、ソフトウェアキーボードでハイフンを入力するのは一手間かかって面倒なので、tree と入力すれば実行できるようにしましょう。
StaSh では Linux のシェル bash にある .bashrc のように alias を .stashrc ファイルに記載して利用することができます。具体的な手順は以下の通りです:

[stash]$ cd site-packages/stash/
[stash]$ la
.gitignore .stash_history .stash_tips .travis.yml CHANGES.md LICENSE README.md __init__.py bin docs getstash.py lib man stash.py system
[stash]$ touch .stashrc
[stash]$ echo "alias tree='py-tree'" >> .stashrc
[stash]$ cat .stashrc
alias tree='py-tree'
[stash]$ la
.gitignore .stash_history .stash_tips .stashrc .travis.yml CHANGES.md LICENSE README.md __init__.py bin docs getstash.py lib man stash.py system

StaSh を一度終了してから再度実行すると、一番上のサンプルのように tree コマンドで階層表示ができるようになります。

(蛇足) Pythonista 3 で xxx.py 以外のファイルを作成、編集する

Pythonista3 単体では .stashrc のような名前のファイルは作れません (勝手に .py が付加されてしまう)。また、一度作るとドットで始まるファイルは不可視となり、編集できません。そのため、そのようなファイルを作る場合は、上記手順にあるように StaSh の touch コマンドでファイルを作り、edit コマンドで Pythonista3 の編集画面で開いてあげます。不可視ファイルは ls -a または同コマンドのエイリアスとしてデフォルトで登録されている la で確認することができます。

まとめ

目的コマンドサンプル
不可視ファイルを作るtouchtouch .invisible
ファイルを Pythonista3 で編集editedit .invisible
不可視ファイルを含むファイルを表示ls -a
または
la
la
(la .* で、不可視ファイルのみを表示)

Pythonista3 に Django をインストール

iPhone や iPad 向け app Pythonista3 に Django をインストールする方法:

まず、ググって Pythonista3 に StaSh をインストールしてください。日本語の情報も見つかります。必要そうならそのうちここにも記事を書きます。

StaSh が入ったら、StaSh から以下を実行します:

$ pip install Django==1.11.6

バージョンの “1.11.6” は、その時に利用できる LTS (Long Term Support) version にしたら良いでしょう。djangoproject.com のサイトをご確認ください。(2021/06/12 追記) pip install django だけで バージョン 3.2.4 がインストールされました。バージョン指定は必要に応じてで良さそうです。

Pythonista3 を終了し、再度開きます。 <– これは Pythonista3 で何か変更を加えた際にほぼ必ず実行すべきアクションなので、期待した通りの動きをしていない時などはやってみてください。本手順でも何度も出てきます。

StaSh で Django のプロジェクトを作ります。

$ django-admin.py startproject mysite

Pythonista3 を終了し、再度開きます。

/mysite/manage.py を開きます。
Console (右ヘスワイプ) で以下を実行します。

import sys
sys.path

表示結果から、以下のような行を見つけ、コピーします (「…」の部分は、iOS 端末固有の情報です)。

/private/var/mobile/.../Documents/mysite

左にスワイプし、manage.py の編集画面に戻ります。
import sys” の下に以下を追加して、「ここに貼り付け」を上記でコピーした内容に置き換えます。(2021/06/12 追記) append の後に不要なイコール (=) が入っていたので削除しました。

sys.path.append(“ここに貼り付け”)

すると、こんな感じになります (端末によって AppGroup/…/Pythonista3 の間は異なります):

sys.path.append("/private/var/mobile/Containers/Shared/AppGroup/C1F57ABC-DDDD-EEEE-FFFF-B0B0E0B0B0E7/Pythonista3/Documents/mysite/")

Pythonista3 を終了し、再度開きます。

/mysite/manage.py を開き、実行 (右三角) ボタンを長押しして開いた画面の argument に、“runserver --noreload” を追加します。ハイフン 2つをうまく入力できない場合は、ダブルクォーテーションの内部をコピペしてください。

うまくいくと、以下のような内容が Console に表示されます。(改めて書きますが、何か想定外のエラーが発生した場合は Pythonista3 app を終了し、再度実行してください)

Performing system checks...

System check identified no issues (0 silenced).

You have 18 unapplied migration(s). Your project may not work properly until you apply the migrations for app(s): admin, auth, contenttypes, sessions.
Run 'python manage.py migrate' to apply them.
June 12, 2021 - 14:29:53
Django version 3.2.4, using settings 'mysite.settings'
Starting development server at http://127.0.0.1:8000/
Quit the server with CONTROL-C.

ここまできたら、http://127.0.0.1:8000/ を Safari などのウェブブラウザで開きます。

URL を長押しして Copy できる


“It Worked!” ページが表示されたら Django のインストールと初期設定は完了です。Django のチュートリアルなどを参考に、ご自身のプロジェクトやアプリケーションを作りましょう。

バージョン 3.2.4 だとこんな画面

Pythonista3 では Django への変更に対する自動更新ができない (--noreload) なので、期待通りの動作をしない場合は、Pythonista3 app の再起動をしてください。

以下は StaSh で Django をインストールした際のログです:

[~/Documents]$ pip list
[~/Documents]$ 
[~/Documents]$ 
[~/Documents]$ pip install django
Querying PyPI ... 
Error: Source distribution not available for Django: 2.0b1
[~/Documents]$ pip install Django==1.11.6
Querying PyPI ... 
Downloading package ...
Opening: https://pypi.python.org/packages/13/26/f3841e00663027ba7cf7ce7ba2cabb682a83cf0629bef013d70bebefa69d/Django-1.11.6.tar.gz
Save as: /private/var/mobile/Containers/Data/Application/20C8FA54-EEEE-FFFF-88888-3BACC5555555/tmp//Django-1.11.6.tar.gz (7874450 bytes)
   7874450  [100.00%]
Extracting archive file ...
Archive extracted.
Running setup file ...
Handling commandline script: django/bin/django-admin.py
Package installed: Django
Dependency available in Pythonista bundle : pytz
[~/Documents]$ 
[~/Documents]$ 
[~/Documents]$ which django
[~/Documents]$ pip list
Django (2.0b1) - A high-level Python Web framework that encourages rapid development and clean, pragmatic design.
[~/Documents]$ 
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